アメリカ南北戦争:国際的視点
大西洋両岸を中心とする世界史における重要事件に関する資料をデジタル化
本アーカイヴは、アメリカ南北戦争を国際関係の中に位置付けることで、南北戦争に対する新たな視点が得られるよう、一次資料をデジタル化して提供するものです。
南北戦争は北部(アメリカ合衆国)と南部(アメリカ連合国)が戦場で死闘を繰り広げた実戦であるとともに、国際世論に向けた外交戦と情報戦でもありました。北部と南部はヨーロッパ諸国、とりわけ覇権国であった英国の支持を取り付けるために、外交戦略を展開するとともに、民間レベルでもメディアを通じた情報戦により、自軍陣営の正当性を訴え、国際世論を味方につけることを試みました。南部は綿花という戦略商品を武器に、ヨーロッパ諸国に支持を訴え、北部は民主主義と奴隷解放の大義を掲げ、ヨーロッパ諸国の反奴隷制感情に訴えかけました。ヨーロッパ諸国側も南北戦争に対する介入の機会伺っていました。開戦当初、英国の指導層では南部支持勢力が影響力を及ぼしていたものの、戦況が北部有利に傾き、リンカンが奴隷解放宣言を発するに及び、パーマストン内閣は中立方針を固め、不介入が得策との判断に至りました。
本アーカイヴでは、英国外務省文書、海軍本部・国防書文書、パーマストン内閣の外務大臣ジョン・ラッセル文書、内務省文書、ロンドンで発行された北部派の新聞London American、同じくロンドンで発行された南部派の新聞The Index、南部からロンドンに送り込まれ、The Indexを創刊し、英国の南部支持に向けて情報活動を繰り広げたヘンリー・ホッツェ(Henry Hotze)、武器の提供や資金援助を通じて南部を支援したリバプールの貿易商社フレイザー・トレンホルム商会(Fraser, Trenholm & Co.)、リバプールのマージ―ドック・港湾理事会のジョージ・バスク・クロウ(George Busk Crow)、コバム家(Cobham Family)など、政府や民間の文書を幅広く収録しています。近年、南北戦争を国際的な視点から再評価する学問的気運が高まっています。本アーカイヴは、英国政府や英国人、英国で発行された新聞を通じて、南北戦争を同時代の国際関係の中に位置づけ、再評価を試みるための興味深い一次資料といえます。
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