◆ブッシュ大統領図書館所蔵の環境問題・環境政策に関する重要資料をデジタル化
大気汚染は、言うまでもなく、健康、経済、環境に対する重大な影響を及ぼす原因となっています。人体への影響は、目の炎症から死亡・出生異常に及び、それ以外に酸性雨によって、作物生産の減少、「死」の湖、建造物の劣化も引き起こされています。南北戦争を終え、戦後の経済発展と産業化を迎えつつあった1881年に、アメリカでは、早くも排煙規制の都市条例が成立しました。それ以降、アメリカは公害規制の努力を漸次拡大してきました。1960年代の環境保護運動の流れを受けて、1970年に米国環境保護庁 Environmental Protection Agency (EPA) が創設、同年に大気浄化法 Clean Air Act も制定され、これによりアメリカの環境規制に向けた大きな一歩が踏み出されたのです。1990年に改正された大気浄化法 1990 Clean Air Act Amendments (CAAA) は、第4編(Title IV)・第5編(Title V)の規定による排出許可証取引制度 system of trade-able pollution permits の実施などを含む大気汚染削減の画期的な試みとなりました。
本コレクションは、G.H.W.ブッシュ大統領図書館に所蔵される Staff file や Office file に納められていた重要資料をオンライン化したもので、1990年の CAAA の施行、絶滅危惧種や沼沢地の保護を含むアメリカの環境問題・環境政策に関する書簡、メモ、報告書、印刷物資料などを集めた重要文書です。本コレクションをアメリカの環境問題、環境政策、公共政策、行政学の研究者にお薦めいたします。
Online