◆第二次世界大戦期占領下のギリシアの国内事情
第二次世界大戦中の枢軸国によるギリシアの占領は、ブルガリアとともにドイツとイタリアのギリシア侵攻が行われた後の1941年4月に始まり、占領は1944年10月にドイツが撤退するまで続きました。この占領はギリシア市民に大変な苦難をもたらしました。アテネだけでも30万人以上の市民が飢餓で亡くなり、少数民族、特にユダヤ人は強制収容所へ強制送還され、ドイツやブルガリアの占領地域においては民族浄化により、何世代にもわたるギリシア市民を根絶しようとしました。ドイツによる容赦ない経済的開拓により、原材料や食料品は徴収され、協同組合政府は占領の費用負担を余儀なくされてインフレを引き起こし、ギリシア経済は破綻し、食糧状況は絶望的となりました。1944年10月の解放時には、ギリシア国内は危機的状況に陥り、すぐに内戦が勃発しました。ギリシア内戦は、1946年から1949年にかけて政府軍と共産党民主軍が戦いました。これは、1943年にドイツとイタリアの占領によって生み出された権力の空白を標的とした、左派と右派の間に極度に二極化した闘争の結果でした。
本資料は米国国立公文書館が所蔵する国務省文書のうち、1940年から1949年までのギリシアの国内事情に関する機密文書を収録したもので、米国国務省からの各種指令や同地域に身を置く米国外交員・領事館員による報告書や公文、覚書、国務省と諸外国政府との通信記録などを網羅しており、この激動の時代のギリシアの姿を克明に記した一級の一次資料群です。
※本コレクションはScholarly Resources刊行のマイクロフィルム版Records of the Department of State Relating to Internal Affairs, Greece, 1940-1944およびRecords of the Department of State Relating to Internal Affairs, Greece, 1945-1949をデジタル化したものです
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