◆イギリス外交官が見た帝政末期から革命期までのロシアの同時代の記録
本コレクションは、帝政末期、イギリスやフランス等の連合国の一員としてロシアが第一次大戦に参戦した1914年から2月革命と10月革命を経てボリシェビキが政権を獲得し、史上初の社会主義国家を建設し、ドイツとの単独講和を結び第一次大戦から離脱し、国内の反革命勢力との内戦が始まる1918年までの4年間に亘り、ロシアに駐在するイギリスの外交官がロシアの国内情勢をイギリスの外務省に報告した文書を電子化して提供するものです。この時期、ロシア大使を務めていたのはジョージ・ブキャナン(George Buchanan)です。収録文書では、ブキャナンを筆頭にイギリスの外交官が同盟国ロシアの政治家や実業家との人脈を有効に活用し、ロシアの政情に関する情報収集を行ない、逐一外務省に報告しています。そこには、これまで明らかにされなかった貴重な情報が含まれ、従来の仮説を補強、あるいは再検討を促す興味深い事実にも事欠きません。とりわけ、2月革命後の政治において、ブキャナンをはじめとするイギリスの外交官は、単なる傍観者ではなく、一当事者として時々刻々と変わる政治に関与している様子が収録資料から見えてきます。本コレクションは、外国人の目を通して見たロシア政治史の生きた記録であるとともに、これまで一国史的な枠組みの中で理解されてきた帝政末期からロシア革命に至るロシア史に英露関係や国際関係の視点を導入させることによって、歴史の書き換えをも促す資料集です。
※本コレクションはScholarly Resources刊行のマイクロフィルムBritish Foreign Office: Russia Correspondence, 1914-1918をデジタル化したものです
Online