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Conditions and Politics in Occupied Western Europe, 1940-1945.


ナチス占領下の西ヨーロッパ諸国

◆第二次大戦期のナチ占領下の西欧諸国の情勢に関する英国外務省の諜報記録を集成
 本コレクションは、英国国立公文書館所蔵の外務省文書「FO 371」より第二次大戦中のナチス・ドイツ占領下ヨーロッパにおける諜報文書を収録するものです。ドイツ占領下のフランス、イタリア、ベルギー、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オランダ、ルクセンブルク、バチカン、スペインなどに加え、ドイツ自体に関する資料も含みます。占領地域における主要組織や団体の支持を勝ち取ろうとするドイツ側の努力、プロパガンダによる心理戦、抵抗運動、独ソ戦などの影響など、様々な主題が取り上げられています。
 第二次大戦開戦後、英国外務省はベルリン、ウィーン、ワルシャワ、プラハ駐在の大使館を閉鎖したものの、その他の地域の大使館、領事館からは情報収集活動を続けていました。しかし、1940年4月になると、事態は大きく変化します。1940年4月から6月までの3ヵ月間にデンマーク、ノルウェー、オランダ、ベルギー、ルクセンブルク、フランスがドイツ軍の占領下に置かれたため、英国はこれらの国々の大使館を閉鎖します。正規の外交関係は断絶し、これらの国々からの情報は途絶えました。ドイツ占領下の国々では新聞社とラジオ放送局はドイツ軍の統制下に置かれ、秘密情報部(MI6)の諜報網は機能不全に陥りました。
 このような事態を前に、外務省では従来とは異なる情報のチャンネルを通して欧州大陸の状況を把握する必要に迫られました。外務省は経済戦争省(Ministry of Economic Warfare)、情報省(Ministry of Information)、陸軍省、海軍省等の政府機関、軍の参謀長委員会、さらに秘密情報部(The Secret Intelligence Service, SIS)や特殊作戦執行部(Special Operations Executive, SOE)、政治戦争執行部(Political Warfare Executive)等の情報機関と連携し、欧州に関する最新情報の入手に努めました。また大使・公使・総領事が駐在していた中立国からの情報も活用しました。マドリード、バルセロナ、タンジール、リスボン、ジュネーヴはフランスの、ストックホルム、ベルンは北欧地域の有益な情報源として機能しました。オランダやベルギーのような隣国に中立国のない国に関しては、旅行者を通じて詳細な国内事情に関する報告書を入手することも行なわれました。
 外務省に届いた報告書は、地域毎に関連の部局に送られ、外務省高官の注釈が付され政府内で閲覧されました。これらの文書は現在、英国国立公文書館において、FO 371(1906年から1966年までの外務省一般政務文書)シリーズの下で保管されています。第二次大戦期にドイツ占領下に置かれた地域に関する貴重な一次資料であるとともに、外務省高官による注釈や論評は第二次大戦期の英国外交政策を解明する上で第一級の価値を持ちます。

※本コレクションはマイクロフィルム版Conditions and Politics in Occupied Western Europe, 1940-1945をデジタル化したものです

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