◆共産主義勢力拡張による一党独裁体制から非スターリン化の改革まで
1945年、ナチス・ドイツが降伏すると、ポーランドの体制を巡り、自由主義者と共産主義者の間でせめぎ合いが発生しますが、ソ連の影響力の下に、共産主義者が勢力を伸張し、1952年ポーランド統一労働者党の一党独裁体制が成立します。1956年のスターリン批判後は、ウワディスワフ・ゴムウカ第一書記の下で非スターリン化の改革を進めます。
本コレクションは、米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)のセントラルファイルの中から、1945年から1963年までの米国国務省のポーランド関係文書を収録します。この時代にポーランドでは、アーサー・ブリス・レイン、スタントン・グリフィス、ワルデマー・ゴールマン、ジョゼフ・フラック、ジョゼフ・ジェイコブズ、ジェイコブ・ビーム、ジョン・カボットが大使を歴任しました。本コレクションには大使の他、公使、領事、書記官ら、ポーランド駐在の米国外交官と国務省本省との往復文書を収録します。
米国国務省の外交文書は、世界各地に駐在した米国の大使、公使、領事と国務省本省との間で交わされた往復文書です。外交官の重要な任務は駐在地の国内情勢を国務省本省に報告することであり、外交官の報告は、政治や軍事関係の出来事の報告、社会経済関係の統計データ、当地の政府高官や政治指導者との会談の議事録など、当地政府のハイレベルの文書等で構成され、米国と駐在国の外交関係の形成過程を明らかにする貴重な史料となります。また、駐在国の内政事情全般を時系列に、主題別に、および包括的に記録したものであり、広範な領域をカバーしていることから、駐在国の政治史、経済史、社会史を研究する上で欠かすことのできない史料でもあります。加えて、第三の立場から記録したものとしても第一級の史料的価値を持っております。
※本コレクションは以下のScholarly Resources刊行のマイクロフィルム資料をデジタル化したものです
Records of the Department of State Relating to the Internal Affairs of Poland, 1945-1963
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