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The King and the People in Morocco, 1950-1959: U.S. State Department Records on the Internal Affairs of Morocco.


モロッコの国内事情 1950-1959年

◆フランス保護領時代の末期から立憲君主制国家としての独立まで

 北部は地中海に面し西部は大西洋に面し、ジブラルタル海峡を挟みイベリア半島の対岸に位置するアフリカ北西部の国モロッコは、戦略的要衝の地という立地条件に豊富な資源を有する自然条件が重なり、歴史的にヨーロッパ諸国の領土的関心を集め、19世紀末から20世紀初頭にかけてアフリカが帝国主義列強に分割される中で、1912年フランスの保護領となりました。

 フランス保護領時代に創設された民族主義諸政党は第二次大戦後、独立運動を始めますが、その際、大西洋憲章のような大国による各種宣言が独立運動の拠り所となりました。1944年イスティクラル党(独立党)の宣言は独立を要求する最も初期の文書の一つです。同党は民族主義運動で指導力を発揮し、現在も有力政党の地位を維持しています。

 1953年、フランスが国民から敬愛されていたムハンマド5世を追放し、不人気のモハメド・ベン・アラファをスルタンの地位に据えると、反政府運動が高まりました。フランスは追放したムハンマド5世のスルタンへの復位を承認し、翌年モロッコは独立を達成します。独立達成後、ムハンマド5世は経済と政治の自由化政策を推進し、スルタン制を廃止し、立憲君主として国王の称号を帯びました。モロッコ政府は、憲法の制定を初めとする様々な政治、経済、社会制度の改革を推進しました。

 本コレクションは、フランス保護領時代の末期から独立を経て、立憲君主制国家としての歩みを始めた独立後数年間にいたる、50年代のモロッコ激動の時代を米国国務省文書から探るものです。米国国務省文書は、20世紀世界各国の政治、軍事、社会、経済を米国外交当局から分析、報告した資料集です。

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