◆ソ連が流布する「誤った情報」から守りつつ女性の政治進出を助けることを目的に設立
本コレクションは、スミス大学ソフィア・スミス・コレクションより、1952年に設立された反共・リベラルの女性運動組織「通信委員会」(Committee of Correspondence)の文書集です。
1952年4月、国際女性評議会(ICW)副議長のローズ・パーソンズ(Rose Parsons)と米国広報文化交流局(USIA)の女性関係顧問でジャーナリストのドロシー・バウマン(Dorothy Bauman)によって設立された通信委員会は、アメリカ独立戦争期の同名の組織から名を借りて、発展途上国や新興国における女性リーダーたちにアメリカやアメリカ社会についての「正しい」プロパガンダを伝えることでソビエト側の流布する誤った情報から守りつつ、女性の政治進出を助け、真に民主的な社会の実現を目指すものでした。
しかし、1960年代末に『ランパーツ』誌の調査報道で、通信委員会の幹部が実は資金面でCIAやアメリカ政府の支援を受けていたことが暴露されると、組織内に分断が生じ、民間の支援も途絶え、1969年2月に解散を余儀なくされました。
本コレクションは世界各国との受発信書簡、公式記録、議事録、複数語による出版物「Community Action Series」「Meeting Community Needs」の完全揃い、会議・ワークショップ資料、解散後の元会員によるオーラルヒストリー翻刻、伝記情報、回想録、国別参加者のカードファイルなど、様々な資料を含みます。
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