◆米国国立公文書館が所蔵する国務省中国課機密文書のデジタル化
太平洋戦争(日中戦争)終了後、1946年に、中国は再び中国国民党(以下、国民党)と中国共産党(以下、共産党)に分裂し内戦状態となりました。このとき、共産主義を警戒していた米国は、蒋介石の支持を止めるわけにはいきませんでした。つまり、内戦後の中国が、米国の友好国となって、米国に対して門戸を開き、ソ連の対抗勢力として成長する可能性を考えれば、国民党の実力者を繋ぎとめておく必要があったからです。一方、共産党は、スパイ行為による奉天の米国総領事を国外追放し、また、北京の米国公使館の財産を没収しました。こうした共産党の措置は、米国政府内の反共感情を醸成しました。さらに、国民党を駆逐し、49年10月に中華人民共和国を成立させると、共産党は、アヘン戦争以降の不平等条約で成文化された、西洋の政治支配の体系を打倒しようとしたのです。
本コレクションは、米国国立公文書館に所蔵されている、機密解除された国務省中国課ファイルの文書をデジタル化したものです。米国の対中政策策定の一翼を担った国務省中国課は、1949年革命とその前後の時代に関する情報を収集していました。本コレクションは、日中戦争・太平洋戦争後の国共内戦に関わる中国の国内問題や、アジアにおける米国の反共封じ込めの過程、内戦後の米中関係を規定した米国の政治動向などを記す貴重な資料です。
※本コレクションはScholarly Resources刊行のマイクロフィルムRecords of the Office of Chinese Affairs, 1945-1949をデジタル化したものです
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