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The Amerasia Affair: China and Postwar Anti-Communist Fervor.


『アメラシア』事件:中国とマッカーシー旋風

◆第二次大戦直後の世間の注目を集めた“スパイ事件”

 『アメラシア』事件とは、第二次大戦末期のアメリカで、政府文書を不法に流出・所持したという容疑で、アジア問題専門誌『アメラシア』の編集者やジャーナリスト、国務省の中国問題専門家、計6人が逮捕された事件で、センセーショナルな事件として世界の注目を集めました。『アメラシア』は1937年3月から1947年7月まで発行された雑誌で、日本の侵略反対、中国の抗戦支持を主張、大戦後は蒋介石国民政府の非民主的な政策を批判し、中国共産党をはじめ抗戦と中国の民主化を要求する勢力の主張を支持していました。

 アメラシア事務所内には夥しい量の政府機密文書のコピーがあったといわれ、その中には陸軍省、国務省、戦略情報局、検閲局、海軍情報局そのほか国家安全保障に関わる政府機関のものが含まれていたといわれます。

 マッカーシズムの高まりつつある雰囲気の中で、この事件は共産主義のスパイ活動と共産主義の政府、特に国務省への影響の両方の危険性を示していると見なされていました。また、国務省の中国問題専門家ジョン・サーヴィスがこの事件に巻き込まれたことが、その後のマッカーシー旋風での国務省スタッフに対する攻撃につなげられました。本コレクションでは、アメリカの中国政策をめぐる米国内の論争とも深く関わってゆく『アメラシア』事件にかかわる文書を多数収録しています。

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