◆第二次世界大戦後の中国における国民党・共産党内戦調停交渉記録
第二次世界大戦中の陸軍参謀総長として米国を勝利に導き、戦後は国務長官として欧州復興を指導した「マーシャル・プラン」で有名なジョージ・C・マーシャル (George Catlett Marshall, 1880-1959) は、陸軍参謀総長を辞した第二次大戦終戦後の1945年12月にトルーマン大統領から中国における全権特使に任命されました。マーシャル特使の最大の任務は戦後の中国における国民党と共産党の争い(国共内戦)を調停するとともに、日本の降伏後に満州地域を占領したソビエトの影響を阻止することにありました。
1946年1月にマーシャルの斡旋により、国民党の張群、共産党の周恩来と三者会談が開催され、国共両軍の停戦協定が発表されました。しかし、国共両軍の衝突はその後も続き混迷に向かいました。46年6月には国民党軍の全面侵攻が開始されました。蒋介石は内戦を優位にすすめるため、満州の権益と引き換えにソビエトのスターリンと協定を結びました。マーシャルはトルーマン大統領に国共調停が絶望的であること、その責任は蒋介石にあると非難しています。46年12月、トルーマン大統領はマーシャルの召還と国共内戦への関与からの撤退を表明しました。翌47年にマーシャルは国務長官に就任。「マーシャル・プラン」として知られるヨーロッパ復興計画に尽力するとともに、対中政策にも絶大な影響を及ぼして中華人民共和国の建国に貢献しました。
本コレクションでは、米国国立公文書館に所蔵されるマーシャルによる国共内戦の停戦交渉記録を収録しております。国務省中国課や陸軍省などの機密文書をオンラインで検索・閲覧することを可能にします。
※本コレクションはScholarly Resources刊行のマイクロフィルムComplete Records of the Mission of General George C. Marshall to Chinaをデジタル化したものです
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