◆米国情報局による中国の新聞、放送による報道内容への論評
戦時下において、対戦国や関係国の情勢に関する情報収集は不可欠であり、各国は様々な手段で情報収集に努めますが、その一つが新聞や放送の報道内容に関する情報収集です。この情報収集は大使館や領事館といった在外公館を拠点に行なわれることもあれば、情報を管轄する専門部署で行なわれることもあります。第二次大戦期、米国は在外公館、国務省の米国情報局(United States Information Service)の在外支局、戦時情報局(Office of War Information)の在外支局を拠点に、これらの情報収集を行ないました。
本コレクションは、第二次大戦末期の1944年から中華人民共和国建国の1年後の1950年までの間に米国が中国の在外公館、米国情報局支局、戦時情報局支局において行なった中国の新聞、放送の報道内容を報告し、論評を加えたものです。第二次大戦が終結するまでは、中国における戦況、中国の政治情勢、太平洋での戦況、日本の政治情勢に関する情報の収集に努めましたが、第二次大戦が終結し、日本軍撤退後、国民党と共産党が対立し、国共内戦が始まると、中国情勢に関する情報収集は、米国の国益にとって、極めて重要な意味を持つようになりました。
本コレクションは、瀋陽、北京、天津、上海、南京、重慶、広東、昆明に置かれた領事館、米国情報局支局、戦時情報局支局の文書ファイルを集めたもので、大半の文書は”Chinese Press Review”とのファイル名が与えられ、新聞報道を集めたものであることを示していますが、その他に、日本の同盟通信社、延安の新華社通信等の通信社の報道を集めたものも含まれています。
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