◆1869年から1913年までに中国海関が発行した官報をデジタル化
本アーカイブは1869年から1913年までに貿易四季報として中国海関(通称CMCS)より発行された機関誌『税関官報』を収録したコレクションです。CMCSは、清朝中央政府が太平天国の乱の影響下で関税徴収を行えない事態に陥っていたため、代わりに関税徴収業務を担う目的で1854年に設立された機関です。CMCSは英国をはじめとした国際的性格が色濃く、外国人税務司制度のもと中華人民共和国が成立する1949年に至るまで歴代組織、運営されました。CMCSの管轄は主に海関、郵政、港湾管理、気象通報、密輸の取り締まり、中国沿岸および長江の警備でした。それだけに留まらず、CMCSはその機能と影響力の拡大に伴い、単に徴税機関としての枠を超えて、融資交渉や通貨改革などの財政および経済活動や、地方政治並びに外交を含めた国政にも深く関与していきました。CMCSは数多の報告書や出版物を作成しましたが、その内上海の中国総税務司の命によって刊行された『税関官報』は天津、寧波、広東、廈門、福州など各地の税関によって作成、提出された貿易報告書を季刊にて発行したものです。各報告書には輸出入や再輸出、国内輸送、旅客交通、歳入などのデータ記録が掲載されています。また、『税関官報』には併せて税金や罰金および没収品要綱、告示、執務の変遷に関する各報告書が収録されています。本アーカイブは中国内外の交易状況をデータとして窺い知ることができ、当時の中国の経済活動を考察する上で非常に貴重な資料です。
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