◆アメリカ・プレスビテリアン(長老派)協会の外国伝道会(BFM)による伝道の記録
プレスビテリアン(長老派)教会は、カルヴァンおよびツヴィングリの影響を受けたプロテスタントの教会で、米国長老派教会はピューリタンの一派として英国から渡り、ニューイングランド植民地を建設した歴史に始まります。1837年に世界的な布教を目的として米国長老派教会の海外伝道会(BFM)が発足されますが、インドでの伝道活動はそれに先立つ形で1834年にWilliam ReedとJ.C. Lowrieが西洋海外伝道協会(WFMS)の助力を得てインドのルディヤーナーに駐在所を構えたことに始まります。その後19世紀を通じ20世紀初頭に至るまで、インド各地に布教対象域は拡大していきました。伝道活動は主に男女の宣教師が村々を行脚し、地域住民の医療や教育への需要と同時に精神的に求められるものに応じるといった体裁をとり、教会の関心事を反映したものとなりました。プレスビテリアン(長老派)教会主導で行われたこれらの諸活動は、1913年以後インド評議会の監督下に置かれることとなりますが、本コレクションではそれ以前までの医療と教育分野を含めた布教活動全般の記録を窺い知ることができます。
本コレクションは主にインド内の布教活動を地域別に管轄したパンジャーブ支部、ファッルハーバード支部として知られる北部インド支部、それから西部インド支部を合わせた3部局からの受信書簡と海外伝道会本部からの送信書簡とで構成されています。これに加えて各支部からの会議の議事録や布教活動に関する年次報告書、新規に建立された教会や任命された宣教師についての情報などを含めた個別報告書や現地報告書が収録されています。中には、現地の人々からの一般的な外国人やプロテスタント宣教師に対する反応や英国支配に対する反感、独立運動に向けた機運の高まり、ヒンドゥー教徒とイスラム教徒間の人種的、宗教的な諍いへの言及なども含まれています。19世紀から20世紀初頭に至るまで、プレスビテリアン(長老派)教会がインド近代化に果たした貢献は大きく、インド評議会に管理が移行して以後も医療、教育分野では継承・発展し続けました。本コレクションは広義にインド発展の過程を追う上で我々に最良の歴史的一次資料を提供してくれます。
※本コレクションはScholarly Resources刊行のマイクロフィルムPresbyterian Church in the U.S.A.: Board of Foreign Missions Correspondence and Repots, 1833-1911のIndiaのユニット(Evangelism in India: Correspondence of the Board of Foreign Missions, 1833-1910)をデジタル化したものです
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