◆20世紀初頭のオランダによる植民地支配の記録をデジタル化
オランダ領東インドでは、20世紀初頭にオランダ東インド会社の統治がオランダ政府に移行され、その植民地支配もジャワ、スマトラおよび東部群島へと拡大されました。インドネシアの近代国家としての境界線はこの時期に定義され、搾取的な政治・軍事そして経済的統合のプロセスが始まりました。
本コレクションは、米国国立公文書館が所蔵する国務省一般記録群(RG59)のセントラル・ファイルの中から、東インド諸島のオランダ領植民地の情勢に関する米国国務省の文書を収録します。
収録文書は、これらの地域に駐在した米国の大使、公使、領事と国務省本省との間で交わされた往復文書です。外交官の重要な任務は駐在地の国内情勢を国務省本省に報告することです。外交官の報告は、政治や軍事関係の出来事の報告、社会経済関係の統計データ、当地の政府高官や政治指導者との会談の議事録、法律関係の記録、大使、公使、領事が送受信した重要な書簡や電信の写し、雑誌や新聞記事の切り抜きや翻訳、当地政府のハイレベルの文書等で構成され、アメリカと駐在国の外交関係の形成過程を明らかにする貴重な史料であることはもちろん、駐在国の内政事情全般を時系列に、主題別に、包括的に記録したものであり、外交官の文書が基本的に自国の国益というフィルターを通して出来事が選別されるということでは説明しきれないほど広範な領域をカバーし、駐在国の政治史、経済史、社会史を研究する上で欠かすことのできない史料でもあります。加えて、植民地宗主国でも支配下の住民でもない第三の立場から記録したものとしても、第一級の史料的価値を持っています。
Online