◆革新的な技法を導入した傑作と評価される米国映画史上最大の問題作
1915年に公開されたD.W.グリフィスのサイレント映画『国民の創生』は革新的技法を導入した映画史上の傑作との評価が名高い作品ですが、同時に露骨な人種差別に満ちた内容の点で米国映画史上最大の問題作とも見なされています。トマス・ディクソンの『クランズマン』(1905)を翻案した映画は、南北戦争から再建期にかけての時期を生きた二つの家族の物語を事実と虚構を織り交ぜながら描きました。『国民の創生』は映画史の重要な作品であることに止まらず、南北戦争後に南部の復権を試みた「失われた大義(Lost Cause)」の言説や20世紀初頭におけるアフリカ系アメリカ人への白人の姿勢を社会史の観点から検討する上でも重要なテクストです。
本データベースは、『国民の創生』のシーンを1995枚のショットに収め、各ショットには「フィルとマーガレットが家に入り、ベンとフローラが後に続く」、「エルジーは父親に近寄り、抱きしめ、慰める」というように、場面を説明する短文を付しています。
※本コレクションはマイクロフィルムD.W. Griffith's Birth of a Nationをデジタル化したものです
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