◆完全独立後のナイジェリアの国内事情に関する米国国務省機密文書
アフリカで最も人口の多い国であり、西アフリカ諸国の中で最大の面積を持つナイジェリアは、20世紀初頭に植民地となり、1960年に独立国となりました。多くの民族、言語、宗教が国境を接しているため多様性に富む国ですが、同時に長い歴史を持つ国でもあります。
1960年10月1日、ナイジェリアは3つの地域(北部、西部、東部)からなる連邦国家として、議会制の憲法を制定し、完全独立を果たしました。この憲法により、3つの地域はそれぞれ実質的な自治権を保持することになりました。連邦政府には国防、安全保障、外交、商業、財政に関する独占的な権限が与えられております。
1963年10月、ナイジェリアは自らを連邦共和国と宣言し、新しい憲法を公布して英国との関係を変えました。第4の地域(中西部)が設立されました。国家元首である英国君主に代わり、議会に選出された大統領が5年の任期で就任しました。
1960年代半ばにかけて、有力政治家2人が陰謀罪で起訴されるなど、政治情勢は雲行きが怪しくなり、政治的虐待や汚職が蔓延し、有権者は連邦政府に対して幻滅を覚えるようになりました。1964年から65年にかけて行われた選挙は、投票率が非常に低く、その後、2000人もの死者を出す暴力事件が頻発しました。そうした政治的な不安はあったものの、一方では、農業と工業の一体化、電力・通信・交通などのインフラ整備、石油・石炭を中心とした国際貿易の発展が、経済発展に向けた大きな柱となりました。
※本コレクションは以下のマイクロフィルム資料をデジタル化したものです
Records of the U.S. State Department: Nigeria, Political and GovernmentalAffairs, February 1963-1966, Subject-Numeric File POL
Online