出版社 | (UPA, US) |
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ニュース番号 | <K10-1120> |
WPA(1939年7月1日まで Works Progress Administration、 その後 Work Projects Administration、 1943年に廃止)はニューディール政策の基本的政府機関の一つで、 民間事業局(CWA)や連邦緊急救済局(FERA)をひきついで、1935年5月政府の失業救済機関として設置され、 公共事業を通して景気の活性化を目的として雇用促進を直接意図したものでした。 不況によって打撃をうけたのは工員、職人だけでなく、 学者、作家、芸術家なども皆失業においこまれているという状況に対して、 著述者対策事業(FWP)を設けて、 芸術、文筆活動を行う機会を提供することも行ってきました。 その一つとして全米を網羅する『アメリカン・ガイドブック』の発行が企画され、 歴史家、 社会学者を動員して、 48すべての州とアラスカ地方、 ワシントンD.C.、 そして都市(アトランタ、 サンフランシスコ、 シンシナティ、 ロスアンゼルス、 ニューオーリンズ、ニューヨーク、 フィラデルフィア、 サンタバーバラ) についての優れたガイドブックが作り上げられました。 各地の歴史、 文化(芸術、建造物、教育、生活、休暇施設)、産業、案内図、写真、周遊モデルコースなどの構成となっています。不況時代のアメリカの実情を理解するうえで貴重な史料と言えます。
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