商品詳細

日本植民地時代の朝鮮 コロンビア大学C.V. スター・東アジア・ライブラリー 所蔵コレクション
Colonial-Period Korea. The C.V. Starr East Asian Library, Columbia University, New York 270 titles. Silver positive microfiche ca. 1014 fiches.

出版社 (IDC, NE)
出版年 2001
ニュース番号 <K09-1076>

1876年江華条約で、朝鮮に、清国への従属関係を断ち独立国として日本との国交を開かせ、釜山・仁川・元山を開港させた日本は、朝鮮に対する宗主権を主張する清国と対立し、1882年7月京城事件(壬午の変)、1884年12月動乱(甲申の変)で衝突、1894年春、東学党の乱(甲午農民戦争)をきっかけに日清戦争にいたります。これに日本が勝利し1895年春下関条約で日本の朝鮮支配権を認めさせました。日清戦争後、日本資本主義の発展はめざましく、国内資本の不足に悩みつつも朝鮮への資本輸出を膨張させていた日本は、中国東北部・遼東半島にまで進出し朝鮮での日本の優位を脅かしてきたロシアと衝突し1904年日露戦争を戦い、この戦争での勝利によって朝鮮に対する完全な支配権を手中に収めました。
 日清戦争後、日本は公然と朝鮮の内政に干渉し、1905年朝鮮を保護国としついに1910年には朝鮮を併合します。爾来1945年の太平洋戦争の終結まで朝鮮は日本の植民地とされてきました。
 本コレクションは、コロンビア大学C.V.スター記念・東アジア・ライブラリー所蔵のコレクションをマイクロフィッシュに収めたもので、日本語の朝鮮関係文献、西ヨーロッパ語(英語が大多数)による開国初期の朝鮮印象記、朝鮮語の植民地時代文学の3分野で構成されています。

1. 日本語の朝鮮関係文献
 朝鮮総督府を置いて統治した日本からは、統治にあたる官吏をはじめ、外交官、学者など多くの日本人が朝鮮を訪ずれ、その結果、芸術、考古学、自然史、教育、宗教、民俗、農村事情など多くの文献が著わされました。歴史や文化など日本と朝鮮との関わりについての多くの文献は植民地建設者の視点から書かれています。

2. 西ヨーロッパ語(英語が大多数)による開国初期の朝鮮印象記
 1876年の朝鮮「開国」直後から西欧人は朝鮮各地を旅行し、朝鮮の事物にさまざまな関心を抱いています。彼らが残した旅行記には欧米人の目を通して当時の朝鮮の国土、民衆、文化の姿が記録されています。

3. 朝鮮語の植民地時代文学
 日本の朝鮮支配に対して抵抗運動が組織され、学校での朝鮮語の使用が禁止された時代にあって、朝鮮語の出版物を発行することも抵抗運動の一つでした。スター・ライブラリー所蔵のこのコレクションには古い様式による古典小説の刊本が所蔵されています。日本支配下の朝鮮の文学を研究する上で書誌学上でも計り知れない価値をもつものです。古典を扱った小説が多様なスタイルで発行され広く民衆の間に拡がった時代でもありました。古典に託して日本支配を批判する古典の扱われ方、内容の変化を実証的に明らかにできます。いくつかのテキストは非常に古い朝鮮語のスタイルで書かれており古体朝鮮語の研究に貴重な材料であります。

 スター・ライブラリーのコレクションには、他では目にすることのできない極めて稀覯な文献が多くありますが、当時の粗末な用紙に印刷されていることから急速に劣化が進み、すぐれた文化遺産の保存が問題とされ、原本の利用は厳しく制限されてきました。本マイクロフィッシュ・コレクションは消滅の危機にさらされている知的文献を保存するものでもあり、貴重な文献を広く研究に供するものでもあります。