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マーガレット・サンガー女史文書 スミス大学 ソフィア=スミス・コレクション女性史料館
The Margaret Sanger Papers.1: The Smith College Collections. The Sophia Smith Collection and Smith College Archives. 83 reels with guide.

出版社 (UPA, US)
出版年 1995
ニュース番号 <K09-372>

「自分のからだを所有し支配することのできない女性は自由だとは言えない」との信念の下に、サンガー(1879-1966)は多くの女性に産児調節の知識と方法を広め続けました。ヨーロッパ、アジアも訪れ普及に努め、世界的な産児調節運動の指導者でした。数度来日してもいます。
 サンガーは、ニューヨークで看護婦をしていたとき、 望まない妊娠がもたらす貧困、病気の惨状を見て、 産児調節の必要を確信します。 1914年にパンフレット『家族の限界 Family Limitation』 を著し、 1916年最初の産児調節診療所を開設、 そのため30日間投獄されてもいます。 1921年アメリカ産児調節連盟を結成、 23年アメリカで初めて医療スタッフを揃えた産児調節研究診療所を開設、 その後も産児調節のための法改正を求めて、講演や運動を続け議会に働きかけます。 運動が広まり徐々に世論も法律も変化し、1936年裁判所は避妊具の普及を認め、 運動の社会的妥当性を認めました。サンガーは世界にも訴え、 1925年国際産児調節連盟を組織し、 1927年にはジュネーブで第一回世界人口会議を開催、 1929年ロンドンに産児調節国際情報センターを設け、 1953年家族計画連盟の初代会長にもなります。       サンガーは1946年から66年の間に、膨大な資料を著名なスミス大学ソフィア=スミス・コレクション女性史料館に寄贈しています。本資料集はサンガー文書ファイルのほか同大学所蔵の他の主要なコレクションから精選した資料をも加え約4万5千点の資料をマイクロ化したものです。まず、サンガーの運動関係の書簡類が選ばれ、 エマ・ゴールドマン、 アグネス・スメドレー、 ヘレン・ケラー、 マリー・ストープス、 H.G.ウェルス、パール・バックなど、 ラディカリスト、 社会主義者、 作家、 慈善家、 新マルサス主義者といった広範な運動家・支持者からの書簡が収められています。 日本の加藤シヅヱも見えます。サンガーが主導した産児調節運動団体の記録では、 アメリカ産児調節連盟(ABCL 1921-1939)、 産児調節法制化全国委員会(NCFLBC 1929-1937)、 産児調節研究診療所(BCCRB 1928-1940)、 アメリカ家族計画連盟(PPFA 1942-1962)、国際家族計画連盟(IPPF 1952-1962)があり、 規約、会議録、 通達、 出版物、 報告書などを通して、運動の目的や方針が示されています。サンガーと産児調節運動団体の裁判関係資料、および彼女の主張に応じた政府の立法化資料があり、産児調節の権利が法的承認に至る経緯が明らかにされます。日記、寄稿文、演説原稿、パンフレット、未発表の手稿などの著述物はサンガーの素顔に迫るもので、性の自由、優生学、人口調節その他の問題での彼女の意見が鮮明に述べられています。運動以外のサンガーの家庭関係を中心とした記録も収められています。趣味、贈り物、家計、個人的な記録で彼女の人となりを窺うことができます。女性史、社会史、 文化史、 医療・公衆衛生、宗教、経済発展を研究する上で重要な資料と言えましょう。


・ISBN 978-1-55655-529-9 microfilm

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