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中東交渉
The Richard M. Nixon National Security Files, 1969 - 1974.: Middle East Negotiations. 28 reels with guide.

出版社 (UPA, US)
出版年 2008
ニュース番号 <K08-361>

5年にわたるニクソン政権期は、イスラエル、アラブ双方にとって激動の時代にあたります。1970年6月、国家安全保障担当大統領特別補佐官キッシンジャーは、ニクソンに次のような見解を表明しています。すなわち、中東問題がヴェトナム戦争よりも一層、米国にとって深刻な問題であり、ニクソン政権を危うくする外交問題であると。1967年にイスラエル、エジプト、シリアの3国間で戦われた六日戦争からちょうど18ヶ月を経過した頃にニクソンが米国の大統領となりました。その後1973年の10月に、この3国間で再び緊張が高まり、10月戦争(ヨーム・キップール戦争)が勃発しました。本資料は、この2つの戦争に挟まれた1969年から1974年までの間のアラブ・イスラエル紛争にいたる中東地域の紆余曲折を詳細に説明する資料で、アラブ・イスラエル紛争、平和・紛争解決、国際関係、米国外交政策などの研究に資する重要資料です。
 まず1973年10月以前の和平実現にむけた4つの努力、すなわち国連代表のグンナー・ヤーリングによって指導されたヤーリング会談、1970年6月の米国による和平へのイニシアティヴ、米ソ会談、米・ソ・仏・英4カ国会談の資料が最初の収録の特徴となっています。これらの会談の議題には、1967年のイスラエルによる占領地からの撤退や、イスラエルのスエズ運河利用、ティラン海峡部でのエジプト船舶の自由な航行、エジプト、イスラエル、シリア3国間の統治権を巡る交渉などがありました。ニューヨーク、ワシントンなどでの数次にわたる会談があったにもかかわらず、イスラエル、エジプト双方は最終的な合意に達しませんでした。当時、アラブ・イスラエル紛争が、歴史的問題ゆえに解決不能であると了解され、しかも、米国がイスラエル支援を標榜する一方でソ連がエジプト・アラブ諸国の肩入れをしていた冷戦期の中東における国際関係も、より一層、解決を困難にしていました。次に10月戦争のファイルでは、その戦闘について報じる中東タスク・フォースのレポートや、戦争の展開と同時に進められた外交上のイニシアティヴを概観するNSCのメモと、国務省の電報・現況報告から構成されています。さらに10月戦争以降のファイルは、キッシンジャーによる1973年11月から1974年5月までの中東訪問と、それに続く和平に向けたイニシアティヴに焦点を合わせています。この中には、会談の計画、訪問計画、会談の要約、記者会見向けのスピーチ、キッシンジャーの声明に加え、外国指導者との談話に関する国務省スタッフのメモも存在します。また、言うまでもなく1974年6月のニクソン大統領による中東訪問の資料や、戦後の和平交渉に関する資料として、1973年のジュネーヴ会議の文書も盛り込まれています。


・ISBN 978-0-88692-879-7 microfilm

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