1929年10月にウォール街で発生した株価大暴落に端を発し、株価大暴落の余波は瞬く間に不況の波として米国全土を席巻しました。各種生産業は大きく低迷し、軒並み失業者数は膨れ上がりました。こうして起こった経済的諸問題に対処するため米国大統領ハーバート・フーヴァーは1930年に失業救済に関する大統領機関(President's Organization on Unemployment Re-lief)を起ち上げました。本資料集では、失業救済に関する大統領機関の記録として、経済状況・救済事情や労使関係、信用組合と少額貸付金の動向、国家と地方の失業救済策の促進、それから連邦救済法案といったテーマに関する記録が収録されています。
　本資料集は、米国国立公文書館に所蔵される資料をマイクロフィルムにしたものです。"Office of the Director, Records of Walter S. Gifford, August 1931-June 1932"、"Office of the Assistant Director, General Records, Compiled 1930 - 1933"、"Office of the Assistant Director: Chronological Files, October 20, 1930 - March 1, 1933"、"Office of the Assistant Director: State Files, 1930 - July 1932"、"Office of the Assistant Director, Files on City Unemployment Relief Committees, September 1931 - January 1932"の主に5つのシリーズで構成されています。
　本資料集は、大恐慌期における米国の経済状況や失業問題をはじめとした米国の国内事情ならびにその救済策に対して知見を提供してくれます。