革命前の東洋研究である『アジアに関する地理的・地誌的資料集成(Sbornik geografi-cheskikh, topograficheskikh i statisticheskikh materiaov po Azii)』は、あまり知られていません。ロシアの参謀部によって1883年から1914年までに87巻・9補巻で発刊された、この出版物の目的は、ロシアや西洋の探検家、官吏、学者たちによって書かれたユーラシア大陸に関する重要な研究を帝国軍司令官に広めることでした。
　本コレクションの主要部分は、従来あまり知られてこなかったアジア地域への同時代の旅行家たちによって創作された報告書から構成され、多くは地理学や関連諸分野で指導を受けた将校のものでした。執筆者には、N.プルジェワルスキー、A.クロパトキン、N.エルモロフ、G.マンネルヘイム、L.コルニーロフ、Andrei Snesarevらがいます。本コレクションは、ロシア国立図書館に所蔵されている軍事機密資料をマイクロ化したもので、19世紀アジアに関する、ほとんど利用されていない資料です。