商品詳細

『著名スコットランド人叢書』 ファクシミリ版 全42冊 [1896~1905年] エディンバラ刊
Famous Scots Series. [Edinburgh, 1896 - 1905]. 42 vols. Facsimile Reprint.

・ISBN 978-4-87394-023-6 cloth set

¥508,200.- (税込) *

出版社 (Kyokuto Shoten, JA)
出版年 2014
ニュース番号 <K14-33>

『著名スコットランド人叢書』を推薦する

 人口と国土の規模が小さいにもかかわらず、スコットランド人が国を超えて、学問・思想や政治・経済等の諸分野で活躍したことは、今ではよく知られている。スコットランドは世界に人材を送り出した。アメリカ独立宣言の署名者の半数はスコットランド人の末裔である。創設期の東京大学の教授など、日本のお雇い外国人のなかにも多数のスコットランド出身者がいる。近代以降の哲学・科学・技術と経済・社会の発展はスコットランド人抜きでは考えられない。
 この叢書は1896年から1905年にかけて、エディンバラで共同出版(Oliphant, Anderson, and Ferrier)されたもので、今では利用できない伝記的資料を使ったものも含まれており、学問的価値が高い。スコットランドの最高の知識人であるヒューム、スミスが取り上げられていることは言うまでもないが、宗教改革者のノックス、ブキャナン、アンドルー・メルヴィル、詩人のアラン・ラムジー、ロバート・ファーガスンやバーンズ、作家のボズウェル、スモレット、スコットやスティーブンスンもあれば、発明家のワットもある。
 法曹界で活躍したアースキン家や自然科学のグレゴリー家などは、これからの研究にとって基礎的な資料である。トマス・リードもあれば、愛国者フレッチャーもある。建国の英雄ロバート・ブルースやウィリアム・ウォレスも取り上げられている。
 この42巻の伝記叢書の再刊は、スコットランド啓蒙や独立問題に関心が高まっている今、時宜に適った出版であり、近代を創ったスコットランド人のルーツに迫るための格好の資料として、図書館、研究者や読書人に広く推薦したい。

愛知学院大学教授・京都大学名誉教授
田中秀夫