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労働の心理学的・生理学的・人間工学的研究 『トラヴァーユ・ユマン(人間労働)』
Le Travail Humain. Physiologie, psychologie, ergonomie. Vols. 1 - 71. Paris, 1933 - 2008. Reprint.

出版社 (Schmidt Periodicals, GW)
ニュース番号 <K13-374>

激動の時代を経て、あるものが社会的に存在し続けることの意味は大きい。1933年3月パリで創刊の雑誌『トラヴァーユ・ユマン(人間労働)』は、第二次大戦中五年間の休刊を挟んで現在なお発行を続けている雑誌である。(最近号61巻1号janvier-mars 1998)。私と同年だ。
 この雑誌の戦前および戦後1982年までの号百冊弱がこのたび復刻されることになった。労働科学的研究の時代的変遷をより広く辿ることが容易になる。50年代末から約10年を日本の労働科学研究所(1921年創立)で調査研究に従事することで研究者生活を出発させた私にとって関心あることだ。
 「労働科学」の語は、倉敷に労働科学研究所を創設した暉峻義等が、ベルギーのイオテイコの著書(1917年刊)タイトルにあるフランス語シアンス・デュ・トラヴァーユに拠って、提示した由来のものだ。そしてこの雑誌『人間労働』の戦前期の編集長を務めたパリ大学林学研究所長ライは、1929年にベルギーで雑誌『シアンス・デュ・トラヴァーユ』を創刊した人物である。効率課題に人間を適合させるテーラー主義の思想に対して、労働科学の思想は、人間労働を生理学心理学法則のもとに理解したうえで労働-労働者の合理的関係を設定しようとするものといえよう。『人間労働』の創刊号序文は、労働科学の用語を挙げてはいないが、「人間活動の合理的組織が引き起こす技術的・実践的問題」の「生物学的側面」の研究を謳っており、やはり労働科学の系譜にあることがわかる。
 日本の労働科学研究所では、私の所属していた社会科学部門が第三部門として医学・心理学に加えられているのだが『人間労働』でも境界領域との限定つきで経済学社会学的研究が位置づけられており、事実、創刊号には<人間関係論>で著名なエルトン・メイヨーの論文「経済的安定と<生活標準>が掲載されている。戦前期掲載論文の40%は実験生理学的研究論文で、26%は応用心理学的研究。あとは労働実態調査(12%)、労働分析(7%)、安全災害問題(7%)と言われる(「『人間労働』の50年」47巻1号、84年掲載論文)。労働災害の研究で原因を労働者の精神要因に求める方法への厳しい批判論文の存在は、わが国労研心理学部門の戦後の研究(狩野広之「不注意物語」)と共通する認識であり、興味深い。
 戦後は50年代までは、個々人の労働への適性を見いだそうとする実験心理学的測定や数学統計学手法が支配的になるが、労働を人間に適合させるという人間工学(エルゴノミー)の思想潮流強化の影響のもとに、再び社会科学的な調査研究も現れる。
 日本の労働科学研究所図書館には、『人間労働』創刊時から数年のあとは所蔵を欠いており、私が若手研究者として文献目録作成のために和欧雑誌論文のタイトルをチェックしていた60年代にはこの雑誌は無かった。再び所蔵が行われるのは84年(47巻)からである。その47巻1~4号の31論文の中で、社会科学研究者としての私の興味を引く論文を挙げてみよう-「管理者の労働」「繊維産業の女性欠勤問題調査」「夜間労働」「交通安全と労働安全」。以上のことから、労働問題に関心のある経済学・社会学・法学などの研究機関で是非備えてもらいたい文献として、この『人間労働』復刻版を推薦したい。しかし社会科学的接近はあくまでこの雑誌の境界領域であり、中心は生理学心理学である。だから医学、パラ医学の研究機関に勧めたいことは勿論だ。患部のみを診て労働し消費する人間全体を診ない日本の医療の一因が、医学教育における経済学とりわけ労働する人間を巡る科学の教育の欠如にあると考える私としては、是非そう言いたいのである。(下山房雄)

Aline Mayrisch-de Saint-Hubert hat die Sozial- und Kulturgeschichte Luxemburgs entscheidend mitgeschrieben. Geprägt von dem unbedingten Willen zur Veränderung, der Bereitschaft Grenzen zu u?berschreiten, um das Frauenbild in der Gesellschaft neu zu formen, drang Aline Mayrisch in Bereiche vor, die Frauen zur Jahrhundertwende eigentlich noch längst verschlossen blieben. In einer von Männern dominierten Welt setzte sie sich fu?r die Selbstbestimmung und Bildung von Frauen ein. Und doch ist sie auch heute noch vielen vorrangig als die Gattin des Industriellen Emil Mayrisch bekannt. Wissenschaftlich präzise zeichnet Historikerin und Literaturwissenschaftlerin Germaine Goetzinger in dieser Biografie das bewegte Leben und die vielseitige Persönlichkeit der emanzipierten Kunst- und Literaturliebhaberin nach. Dabei beleuchtet sie neben politischen und sozialen Errungenschaften das literarische Schaffen Mayrischs. Das Resultat ist eine umfassende und reich bebilderte Lebensgeschichte, die bisherige Forschungslu?cken schließt.