・ISBN 978-1-60205-152-2 cloth
出版社 | (UPA, US) |
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出版年 | 2010 |
ページ数 | 378 pp. |
ニュース番号 | <K11-1286> |
本書は、金門島・馬祖島危機として知られる第2次の台湾海峡危機を記録します。この事件は、1949年以後台湾政府の軍事拠点として要塞化されていた金門島・馬祖島の領有を巡って、54年から55年に米中間で争いとなった事件の第二弾で、58年8月23日に人民解放軍が砲撃したことから始まります。この攻撃は、共産党政府と台湾政府の間で互いに主張された、「中国を統治する唯一の正統な国家」説の行き詰まりを表面化したのでした。この問題における両者の妥協の余地は全くありませんでした。毛沢東は、金門島や馬祖島への活動を以前から中国の国内政策であると捉えていました。これに対しアジアにおける米軍のプレゼンスや、米国の信用強化・広報活動の進展を窺っていたアイゼンハワー大統領は、この期に乗じて介入し、この島々の防衛を支援したのです。
本書は、いかにしてアイゼンハワー大統領が"hidden-hand"外交を採用し、中国国民党による金門島・馬祖島の管理を支援するためにダレス国務長官らを通じてアメリカの外交政策を展開したのかを明らかにします。