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Dissent in Poland: The Opposition Archives


ポーランド反体制運動資料集:ポーランド人民共和国反体制運動資料集 1956-1989年

◆戒厳令が敷かれる前のポーランドの共産主義時代と「連帯」を頂点とする反体制運動

 1956年6月、スターリン時代のポーランド指導者ボレスワフ・ビエルトに代わって、ウラディスワフ・ゴムルカが就任しました。そして、1978年、クラクフの司教であったカロル・ヴォイティラがローマ法王ヨハネ・パウロ二世となり、ポーランド市民に民族の誇りと反共産主義の抵抗という新しい精神が植え付けられました。その後、共産主義の東欧で起こった初の非公式労働組合運動であるNSZZ「ソリダルノスク」(独立自治労働組合)が台頭するまでになりましたが、ヴォイチェフ・ヤルゼルスキ将軍による1981年12月の戒厳令にて、数万人の反対派が逮捕、投獄され、他の反対派は西側諸国へ逃亡しました。戒厳令は1983年半ばに解除されましたが、「連帯」は依然として違法なままでした。1989年、連帯は法的地位を獲得して比較的オープンな選挙に参加し、セイム(ポーランド下院)において過半数を獲得しました。新しい議会の多数派は、前政権に反対していた人々の中から、首相タデウシュ・マゾヴィエツキと大統領レフ・ワレサを指名しました。

 本資料集は大きく3つのパートに分かれています。第一部は、戒厳令時代(1981年から1983年)の日記です。これらのほとんどは連帯活動家によって書かれたものですが、他の投獄された活動家や大規模なストライキ運動やその他の抗議行動への参加者の記録もあります。また、「他方」の代表者、つまり事件に参加した兵士や警察官の日記も収録されています。第2部は「ポーランド人民共和国時代」と題し、1944年(ソ連によるポーランド解放)から1989年(共産主義によるポーランド支配の終了)までの日記や手記を収録しています。第3部は、1945年から1989年までの「民間主導」と題され、政治経済の半合法・非合法な民間部門に従事する人々の証拠資料を集めたものです。通常、公式資料では「投機家」(あるいは他の蔑称の口語)と呼ばれるこれらの人々は、経済的自立のための闘いによって、国の社会生活に大きな影響を与えました。

 本資料集は、戒厳令が敷かれる前のポーランドの共産主義時代の政治・社会史、すなわち日常生活と、地下活動や「連帯」のような公開運動による反共産主義の抗議の高まりを考察する上で特に貴重であるといえます。「連帯」を頂点とするポーランドの反体制運動は、東欧で最も強力かつ効果的でした。したがって、その歴史は、最終的に共産主義から撤退し、この地域に自律的な市民社会が出現したことを理解する上で極めて重要といえます。

※本コレクションはマイクロフィルム版Dissent in Poland: Publications & Manuscripts from KARTA Center Foundation Archives in Warsaw, Poland - Part 1: Opposition Archivesをデジタル化したものです

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