本報告書は、1937年から1950年頃までに、英国放送協会(略称:BBC)の草分け的なリスナー調査部が全国規模かつ地域レベルで行った無線放送の初期調査を記したものです。物議を醸した1936年の同部局創設時から、第二次世界大戦の動乱期と戦後期を経て、英国放送協会は英国において史上初の全国テレビ放送局となりました。本資料集には週刊“Audience Summaries”と日刊“Listening Barometers”の全コレクションが収められています。また、特定の番組に対する視聴者からの反応に関する報告書や時事的なテーマや問題に対する特別報告書が、リスナー調査部により作成された政策文書と同様に収録されており、英国放送協会内部で後に「市場調査」という名目で知られるところとなった初期リスナー調査の発展途上期を辿ることができます。第二次世界大戦中には、リスナー調査は英国放送協会にとって新たな緊急性を帯びるようになり、英国国内戦線にとって欠かせない役割を担いました。ここに初めて複製されることとなった戦時中に行われた同部局のリスナー調査は、連続ラジオドラマ“It’s That Man Again”やリスナーからの質問に専門家が回答する“The Brains Trust”、ウィンストン・チャーチルや英国向けにナチス・ドイツのプロパガンダ放送を行いホーホー卿という通称で知られたウィリアム・ジョイスなど、同時代のラジオ番組やパーソナリティへの事細かなリスナーからの反応、それから同様に当時の英国人の聴取習性や文化的趣向に対し重要な洞察を提供しています。また、ニュースリーダーのアクセントからリスナーの夜間の習性、リスナーの対ロシア観に至るまで、本コレクションは英国史の重要局面における人々の動向や姿勢、関心事に対しその正体に迫る他に類を見ない着眼点を提供してくれます。
“The Listener Research Department 1937-1950 collection offers a comprehensive picture of audience research in the era before television was a mass medium”
Sion Nichola, University of Wales, Aberystwyth
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