議会労働党は英国議会議員の内、労働党員から構成された組織として1906年に発足しました。本資料集は1968年から1994年までに党内で催された会議や連絡会、議院内委員会(影の内閣)の議事録全てを収録しています。1960年代から70年代にかけての英国政治は、プロヒューモ事件のスキャンダルなどを筆頭に揺れており、この時期に労働党は二度政権を獲得しています。エドワード・ヒース率いる保守党政権の後を受けて、再び労働党が政権を握った第二次ハロルド・ウィルソン政権期の英国は、ビジネス向けの電力を一週間のうち三日しか供給しない“Three Days Week”問題や欧州経済共同体(EEC)への加盟残留問題に直面します。また、どの政党も議席の単独過半数に達していない状態(ハング・パーラメント)を経て、解散総選挙後に労働党が政権復帰してから程なくして、保守党はマーガレット・サッチャーを保守党党首に指名しました。その後1980年代に渡って、マーガレット・サッチャー率いる保守党政権時代が到来し、1981年アイルランドでのハンガー・ストライキやフォークランド紛争が起こりました。この間、労働党においては、党首はジェームズ・キャラハンからマイケル・フット、ニール・キノックへと変わっており、当初は左翼的な政策にシフトしていたものの、1983年の選挙で大敗北を喫した後に労働党内に「新現実主義」と呼ばれる考え方が現れました。これは後にトニー・ブレアが台頭するきっかけを与え、1994年のジョン・スミスの死後に暫定党首を務めていたマーガレット・ベケットを党首選で破りトニー・ブレアが労働党党首の座に就きました。労働組合の影響力の低下や党政策の変遷など1968年から1994年までの間に議会労働党では史上もっとも大きな動きを伴います。ここに収められた議事録はこうした動きや変化の全てを反映しています。
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