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2023.05.15

極東書店ニュース700号到達を記念し、西南学院大学経済学部教授花田洋一郎先生から祝辞をいただきました。

「極東書店ニュース」700号到達を記念して

                       西南学院大学経済学部 花田洋一郎

 

 この度、「極東書店ニュース」が700号に到達したという知らせを極東書店福岡営業所の担当者からお聞きした。心よりお祝い申し上げる。本書に現在まで大いに助けられてきた者として、感謝の気持ちを示したい。「極東書店ニュース」第1号は19546月に刊行されたそうで、戦後10年もたたないうちに欧米出版社の新刊情報を掲載した洋書案内誌は船出をしたことになる。欧米の学術情報が入手困難であった時代、新刊案内は研究者にとって希望の光であり、学術研究における「アリアドネの糸」であったろう。私が学生時代を過ごした1980年代末から1990年代初頭においてもそれは変わらなかった。

 1988年の春、熊本大学文学部史学科西洋史学コースに進んだ大学2年生の私は、先生や先輩から事務室と研究室に置かれているいろんな洋書新刊案内をみせてもらい、ここから欧米の歴史専門書を注文するのだと教わった。専門書を自分で買うということを想像できなかった私は、複数の洋書案内を手に取ってそこにぎっしりと記載された英仏独伊西葡蘭露羅希などの諸言語で書かれた新刊書・古書情報に圧倒された。ガリア書房、エックス・リブリス、南欧図書、丸善、紀伊國屋書店、エルベ洋書店、イタリア書房などの洋書案内と共に「極東書店ニュース」があった。大学3年生のころに最初に洋書を買ったとき、英書は極東書店とナウカ、フランス書はガリア書房とエックス・リブリスにお世話になった。「極東書店ニュース」はアメリカ、イギリス歴史学界のみならず、ヨーロッパ大陸諸国の新刊情報を豊富に載せており、基本文献はほぼ網羅していたので、欧米における研究動向を把握するのに極めて有効であった。「極東書店ニュース」にはドイツ語、フランス語、イタリア語、ラテン語など英語以外の新刊書にも日本語訳がついているのだが、時折その訳が変だったり明らかな誤訳だったりしたときは、心の中で「つっこみ」をしたものである。

その時から早35年が過ぎた。学術情報をめぐる環境は著しく変化し非常に便利になった。新刊書を探索するコストは低減し、瞬時に情報を手に入れることができるようになったし、10数年もかけて探索した史料集なども容易に手に入るようになった。他方で、新刊案内書の多くは廃刊となり、ページを開いてどのような本が出版されたのかを見るドキドキ感、わくわく感は減ってしまった。フランス歴史学界、ドイツ歴史学界、イタリア歴史学界などの新刊情報を一覧できることで研究潮流が国によってどのように違うかを感じ取ることも、情報が多くなりすぎたせいか難しくなったように思う。

学術情報をめぐる環境が激変する中、「極東書店ニュース」は自分のやり方を続けながら、ネット媒体に姿を変えつつも私たちにまとまった新刊情報を提供し続けてくれている。これは現場の担当者のたゆまぬ努力の賜物であるが、わたしは彼らの確固たる信念に強い共感を抱く。世界各国の出版社が提示する新刊情報には様々なレベルの情報が紛れている。研究者にとってどのような本が重要なのか、担当者は常に判断しながら取捨選択し新刊情報に載せるのだ。時には書名の翻訳に大いにてこずることもあるだろうが、そうした労苦のもと揃えられた新刊情報は、確実に私たちに重要な情報として届いている。わたしは新刊情報で得た書物を通じて研究の方向性とか、新しいアイデアを幾度も得ることができたので、新刊情報に育てられたと勝手ながら思っている。

私は、現在の「極東書店online」に不思議とわくわく感を抱く。ウェブであっても極東書店という洋書店の入り口(HP)から店内に入るという感覚があるからだろうか。いっそのことHPに大きな門をデザインして、そこから上質の新刊情報の世界に私たちを誘うような仕様を試してみてはいかがだろうか?「門をたたきなさい、そうすれば、開かれる」(新共同訳「マタイによる福音書」7)。

2023.05.10

極東書店ニュース700号到達を記念し、新潟大学法学部教授馬塲健先生から祝辞をいただきました。

『極東書店ニュース』700号に寄せて

新潟大学法学部 馬塲 健

 私が大学院の修士課程に進学した30年以上前、大部屋だった院生研究室の共用テーブルの上にはいつも『極東書店ニュース』が置かれていた。そのときは冊子全体が同じ紙で作られていたと記憶している。そこに掲載されていた書籍のうち、大学院生の懐具合ではまさに「清水の舞台から飛び降りる」といった心持ちで注文したあるシリーズ本は今でも本棚のいつでも目にとまる場所にある。その後、ニュースの表紙が光沢紙に変わったと相前後して、大学に職を得た。その頃には毎月送られてくるニュースに「ドッグイヤー(角折れ)」を付けて注文できるようになった。現在では、ニュースがWeb版に変わりはしたものの、新着情報のメールが届くと、画面を見ながら意中の書籍を「お気に入り」に追加して注文している。この極東書店ニュースが最初に発行されたのは1954年6月、今からおおよそ70年前と聞く。多分当時の先生方がやっておられたことを私も30年近く前からやってきたのだろう。そして、今回700号を迎えるとのことである。体裁が変わり、媒体が変わり、そして読み手が変わっても、極東書店ニュースにドックイヤーを付けるという「文化」が続いていってほしいと切に願うものである。

 700号発行おめでとうございます。

2023.05.08

ニュース新着書誌情報を追加しました(No.700)

書誌情報を追加しました。追加分はNEWが付いているものになります。

今号は大手出版社に加え、アフリカや中東などの地域研究に強いHurstや、MGHの出版等で知られるドイツのHarrassowitz、心理学分野では欠かせないアメリカ心理学会、フランスの各出版社などの新刊情報が追加されています。

下記リンクよりご覧いただけます。

こちら

2023.05.08

極東書店ニュース700号到達を記念し、明治大学名誉教授横井勝彦先生から祝辞をいただきました。

研究生活40年と「極東書店ニュース」

今年「極東書店ニュース」は700号に到達した。洋書新刊情報の提供を通した広範な学術分野への多大貢献に敬意を表するとともに、創刊以来70年にわたって編集に携わってこられた歴代担当者の方々のご尽力に、心より御礼を申し上げたい。

私自身もイギリス経済史の分野で研究を開始してすでに40年、洋書の新刊情報に関しては「極東書店ニュース」を一番頼りにしてきた。利用者のニーズは多様で、新刊情報は増加の一途だが、「極東書店ニュースONLINE」にも、精選された情報と使い勝手の良い機能が追加されていくことを期待したい。

さて、思うに、人生観が一変する程の「一冊の本との出会い」など、めったにあるものではない。しかし、研究者が新たなテーマを発見する契機となるような「一冊の本との出会い」は、生涯に何回かあるように思う。研究テーマに即した「一冊の本との出会い」ではなく、その逆の関係なので多くはない。しかし、これは重要な出会いである。そうした機会を提供してくれたのは「極東書店ニュース」であり、同社営業担当者との研究室での度々の雑談であった。

情報化と国際化によって、研究環境は大きく変わった。ネット時代以前には、国会図書館で許容範囲まで洋書をコピーしたり、飯田橋のブリティッシュ・カウンシルに依頼してイギリスから書籍や論文を取り寄せたり、そして念願の留学の折には、公文書館で筆写とコピーに明け暮れ、田舎町の古本屋で意外な発見に興奮したりと、文献や資料の蒐集にはそれなりにエネルギーを割いてきた。

ところが現在では、オンライン上で世界中の古書店を横断検索して、探求本を短期間で取り寄せることも可能となった。大学図書館や文書館のデータベース化も急速に充実してきており、研究者の生産性もかなりの向上が期待できるようになった。問題は、研究時間と研究費である。

一般に大学教員の仕事は研究と教育と校務の3分野に及び、その比重の置き方には個人差があるが、私の場合は「校務のエフォート率」が平均値を大きく超えていた。そんな中、定期的に届く「極東書店ニュース」と同社営業担当の方との研究談義には大いに助けられた。その後に届く「見計らい本」、そして「積ん読」と「つまみ読み」。多忙な中でも「一冊の本との出会い」が生まれる環境がそこにはあった。「極東書店ニュースONLINE」によって、そうした環境の新たな地平が拓かれることを期待している。

 

                             横井勝彦(明治大学名誉教授)

2023.05.08

極東書店ニュース700号到達を記念して(編集担当より)

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

この度、洋書案内「極東書店ニュース」が700号を迎えることとなりました。これもひとえに皆様のご愛顧のおかげです。誠にありがとうございます。

「極東書店ニュース」は19546月に第1号が発刊されました。当時はインターネットもなく、海外出版社からの新刊案内や国内代理店からの新刊情報を活用し、情報を集め、整理し、研究者の皆様にお届けしていました。時代の流れや研究の潮流に合わせて分類の変更・追加がなされ、発行され続けた「極東書店ニュース」は、研究者の皆様から高い評価をいただくに至りました。

近年ではデジタル化の発展等により、冊子体の「極東書店ニュース」からPDF版、そして現在の「極東書店ニュースONLINE」へと形を進化させてきました。「極東書店ニュースONLINE」はご自身の好みや目的によって様々な使い方が可能です。ぜひご活用いただいて、研究のお役に立てていただければと思います。

私は極東書店に入社して以来10年超、この「極東書店ニュース」に携わっておりますが、ここ10年でも学術界を取り巻く環境は大きく変化しています。インターネットの発展、オープンアクセスの台頭、近年の出版点数の増加など、学術研究に関する情報が溢れているのが現状です。こうした中で、「極東書店ニュース」が担ってきた「学術洋書の新刊情報を集め整理し、日本の研究者に伝える」という役割は、改めて意義のあることであり、必ずや研究者の皆様のお役に立つと確信しております。今後も精進し、皆様により良い情報を素早くお伝えしたいと考えております。

また、「極東書店ニュースONLINE」へのご指摘・ご意見、研究動向に関する情報などがありましたらぜひお知らせください。皆様からの情報が弊社にとっての大きな財産です。いただいた情報を「極東書店ニュースONLINE」で活かし、日本の学術文化の発展に寄与できればと考えております。

これからも何卒よろしくお願い申し上げます。

 

極東書店ニュースONLINE編集担当 長谷部

2023.04.10

ニュース新着書誌情報を追加しました(No.699)

書誌情報を追加しました。追加分はNEWが付いているものになります。

今号は大手出版社の新刊情報に加え、BeckやNomosといったドイツ法に強い出版社や、 農業・ツーリズム研究に強いCABI、言語学の専門出版社John Benjamins、 フランスの各出版社などの書誌情報が追加されています。

下記リンクよりご覧いただけます。

こちら

2023.03.27

ニュース新着書誌情報を追加しました(No.698)

書誌情報を追加しました。追加分はNEWが付いているものになります。

今号は大手出版社の新刊情報に加え、U. British Columbia Pr.やMcGill-Queen's Pr.、U. Hawaii Pr.やIndiana U. Pr.などのカナダ及びアメリカの大学出版局、Brillなどの出版社の新刊情報が追加されています。

下記リンクよりご覧いただけます。

こちら

 

2023.03.16

「NEWのみ表示」切り替え機能追加しました

書誌情報を「NEWタイトルのみ」に切り替え表示することが可能になりました。

NEWタイトルのみを横断的にチェックしやすくなりましたのでぜひご覧ください。

 

※登録カテゴリーからの閲覧には本機能は追加されておりません。

 

 

2023.03.13

ニュース新着書誌情報を追加しました(No.697)

書誌情報を追加しました。追加分はNEWが付いているものになります。

下記リンクよりご覧いただけます。

こちら

2023.02.27

ニュース新着書誌情報を追加しました(No.696)

書誌情報を追加しました。追加分はNEWが付いているものになります。

下記リンクよりご覧いただけます。

こちら

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